返ってきたミトラ通信

おおいなる調和を目指してしなやかに生きる。

Planet-earth-7

病室に着くと、麻尋がベットの脇に腰をかけていた。

「麻尋さん、こんにちは。環緒は未だ?」
「あぁ、絆愛ちゃん。そうよ。未だね。」
「麻尋さん、心配だね。環緒の意識がいつまでも戻らなくて。」
「そうねぇ。あの子は、小さいころから、いつもお転婆してばかりだからね。例えばさぁ、空手道場で男の子と組み手やって、勝った勝ったといって帰ってきたり、凧を高い木に引っ掛けてときは、木の高いところまで登って取ってきたり、足が着かないのに、高飛び込みの一番上から降りたりね。それでも、いつも怪我無く帰ってきたのよね。」

麻尋は、眠っているだけの環緒を見ながら、絆愛に話しかける。そして、病室の回りを見渡しながら、続けた。
「だからね。環緒の意識は、そこら辺で遊んでいるのよ。お転婆だから。それでね、飽きたら、何事もなかったように、帰ってくると思うわ。ただいまってね。いつものことと思えば、みんながいうほど心配でもないのよ。」

「そうか。環緒は遊んでいるんだ。そんなふうに思える麻尋さんは強いんだね。」
「ふふふ。そんなことないわよ。娘を信じてるだけよ。絆愛ちゃんも、そのうちわかるようになるわ。」

絆愛は、病室の天井を見上げて、話しかけてみた。
「環緒、早く戻ってこい。麻尋さんは信じて待ってるぞ。私も待ってるぞ。ついでにパパも。」

二人は顔を見合わせて笑いあった。

「でも、麻尋さん、何で遊んでいるってわかるの?」
「ううん、わかるわけじゃないけど、なんとなくね。」
「ふーん。そうなんだ。」

すると、突然、ドアがノックする音が聞こえた。そして、扉がゆっくりと開いた。
「旭さまの病室は、こちらで宜しいでしょうか?」

女性の声が聞こえた。

To be continued