返ってきたミトラ通信

おおいなる調和を目指してしなやかに生きる。

Planet-earth-5

絆愛(りあ)が病院に着いたころ、雲行きが怪しくなってきた。
遠くのほうの空では時々、稲光がみえる。
絆愛の心の中を写すかのように、今にも泣き出しそうな空模様になってきた。

絆愛は、環緒のことを心配しながら、病院の待合い室で待っていると、突然、雷鳴がけたたましく鳴った。稲光が目に入ると同時に、見覚えのある中年の男女が近づいてくるのが見えた。龍三郎と、麻尋だった。

「絆愛!環緒は?」
「絆愛ちゃん、環緒は?」
龍三郎と麻尋がほぼ同時に言った。

「パパ~。麻尋さん。環緒は未だ意識が戻らないって。打撲くらいで、大きな怪我は無いんだって。畑に着地したのが良かったんじゃないかだって。お医者さんが言ってた。何で、あそこから畑に着地したのかが不思議だって、警察の人が言ってたよ。」
絆愛が答える。

「事故の原因は何だ?何で事故ったんだ?」
龍三郎が大きな声で絆愛に聞いてくる。
「分からないよ~。見てないし~。」
「そうか。」

「でも、環緒の命が無事でよかったわ。絆愛ちゃんも無事でよかったわ。」
麻尋が落ち着いた声で、絆愛に話しかけた。
「環緒はさすがね。打撲程度の怪我で済むなんて。こんな状況で感心するのも変なんだけど、あの子は不思議な子ね。まだ生きてなさいって、何かに守られているのよ。きっと。それから、普段から空手で体を鍛えていることもあるわね。ねぇ、隆三郎さん。」
麻尋は、落ち着かない様子の隆三郎を落ち着かせるように、話した。
「ん? ああ、そうだな。そうに違いないな。麻尋ちゃんが神様にお仕えしているのも関係があるもしれないぞ。」
隆三郎も、自分を落ち着かせるように、答えた。
「さぁ、それはどうかしらね。ふふふ。」

「パパ、落ち着いて、環緒は大丈夫だよ。そのうち意識が戻ってくるよ。」
絆愛も隆三郎をなだめるように言った。

外は、雨が降り始めていた。ひどい土砂降りになっていた。

To be continued