返ってきたミトラ通信

おおいなる調和を目指してしなやかに生きる。

Planet-earth-4

何かが迫ってくる。物凄い勢いで。背筋が寒くなった。

パトカーかと思って、スピードを少しだけ落とした。
すると、追い越し車線を走る黒いワンボックスカーが、私の横に並んできた。

ワンボックスカーをチラ見すると、運転手と、一瞬、目が合った。運転手は、若い男のように見えた。運転手は、こっちを見て笑っている気がした。なんとなく、(あの人知っている。)と頭に浮かんだ気がした。

その瞬間、ワンボックスカーは、スピードを上げて、こっちの車線に入ってきた。
(危ない!)
そう思った瞬間、青い空が見えた。目の前の一面が青い。空には雲が一つも無い。
次に、太陽が目に入ってきた。とても眩しい。
(え、何?、何?、何で?)
まるで、空を飛んでいるようだ。
(何で? 何で空を飛んでいるの? あぁ、そうか。きっと、さっきのワンボックスカーが私のバイクをひっかけたんだ。どうしよう? 龍三郎おじさんに怒られちゃう。ママにも心配かけちゃう。どうしよう。)

そう思ったとき、畑がフェンスの向こうに見えた。
(あっ、あそこ。あそこに落ちれば、あそこなら何とかなる。)
そして、畑が見えた次の瞬間に、目の前が真っ暗になった。何も見えなくなった。

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「環緒はどこまで先に行っちゃったんだろう? 行き先分かってるから、いいけど。」
絆愛(りあ)は、環緒において行かれて、随分と離されていた。

しばらく走っていると、絆愛の横をパトカーがサイレンを鳴らして急いで走り過ぎていった。その後、救急車も走り過ぎていった。

「事故かぁ、環緒は大丈夫かなぁ。環緒のことだから、大丈夫でしょ。私は、気をつけてこ。」

急に、前方の流れが悪くなってきた。車はゆっくり走るようになった。
そして、遂に車はハザードランプを点灯させ始めた。
事故現場付近に到達した。

「こういう時、バイクは便利よね~。気をつけて抜けてこ~っと。」

絆愛は、呑気に、車の間をすり抜け行った。すると、見たことあるバイクが無残な姿になっているのが見えた。

「まさかね~。環緒のわけないよね~。」

絆愛はそう思って、ゆっくり進みながら、もう一度バイクに目を配ると、ジジのスッテカーが貼ってあるのが分かった。

「え、環緒?ウソでしょ?」

パトカーに近づいて、バイクを停めた。バイクから降りて、警察官に話しかけようとしたら、警察官から怒鳴られた。
「ちょっと、何してんの?危ないよ。」

絆愛は構わず、話しかけた。
「お巡りさん、バイクの人って、女の子ですか?」
「そうだよ。それが何か?危ないから、あっちいって。」
「その女の子と、友達なんです。環緒っていうんです。一緒にツーリングしてたんです。私、おいてかれて、それで・・・。環緒は、環緒は無事なんですか?大丈夫なんですか?」
絆愛は、泣きそうになりながら、話した。

「命に別状はなさそうだよ。意識は無いみたいだけどね。さっき、救急車で運ばれていったよ。」
「病院は?病院はどこですか?」

to be continued