返ってきたミトラ通信

おおいなる調和を目指してしなやかに生きる。

Planet-8

細長い弧の形をした衛星が、地平の彼方へ沈み、空は真っ黒になる。

真っ黒い空の端から、まるで、空の果てに向かうかのように、尾を引いた星が流れていく。

 

どのくらい眺めていたのだろうか。ぼーっと、眺めていたら、地平線から恒星が頭を出してきた。徐々に、徐々に、だんだん空の景色が変わっていく。真っ黒い空が、白く塗り替えられていく。

やがて、恒星は完全に姿を現し、空は真っ白くなる。

 

この恒星が沈んでも、さっきまで見えていたあの形の衛星は、今日はみえない。

今日は、衛星の全体が欠けて見えない日。

衛星が見えないのは、最後の日でもあり、始まりの日でもある。

 

今日は卒業の日だ。

卒業の式典に行く前に、地球に意識を合わせてみる。地球に挨拶だけしておこう。

もう宇宙船を自在に動かせるから、危険なことにはならないだろう。たとえ、危険があったとしても、回避できるはずだ。

意識を集中させて、地球、青く輝く星の意識と合わせる。

 

「地球さん。こんにちは。こんど、地球にお邪魔します。地球に転生することになりました。よろしくお願いします。」

「そうか、そうであるか。我は嬉しゅう思う。そなたの転生を待っているぞ。よろしゅう頼むぞ。我と共に。そなたに幸あらんことを。」

「ありがとうございます。一つだけ、聞いてもいいですか?」

「ふむ。申してみよ。」

「地球さんそのものの波動は、本当に低いのでしょうか?あまり低いようには思えないのですが。」

「そうか。そう思うか。その答えは、そなた自身が転生してから確かめてみよ。では、待っておるぞ。」

 

地球と会話ができた。地球はとても優しかった。どうやら、地球に快く受け入れてもらえそうだ。

 

よし、今日は最後の日。式典に行こう!

to be continued