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返ってきたミトラ通信

おおいなる調和を目指してしなやかに生きる。

Planet-7

とうとう、最終希望調査の日がやってきた。
ずっと、とぼけてきたが、今日は、最終的な決意表明をする日でもある。
今まで、はっきりさせてこなかったのは、いま一つ自信を持てなかったからかもしれない。
大変と言われている地球への転生を。

「・・・くん、・・・くん?」
「えっ?何?」
「カウンセラーが呼んでるよ。次だよ。順番だよ。大丈夫?」

希望調査は、カウンセラーが取ることになっている。違う星に転生することは、どんなに優秀な者であっても、ストレスがかかるものだからだ。

星々に転生していくには、揺るぎない決意と意志がいる。それを確認するため、適性を見極めるために、適任のカウンセラーが選ばれている。

「どうぞ、こちらに。」

カウンセラーは、とっても魅力的で、素敵な方だ。この方の前では、何でもさらけ出してしまいそうになる。

これまで、希望調査の面談が数回あったが、カウンセラーには、太陽系のどこか、とだけ話してた。

「今日は、最終希望を具体的に出してもらうわよ。どう?行き先は決まった?心を決めてきた?」

「はい。決めてきました。えーっと、地球に。地球へ生きたいです。」

「わぁお~。地球ね~。立派だわ!何期ぶりかしらね~。地球に希望出す者が出てくるのは。」
「みんな、地球の話を聞いて怖じ気づくのよ。地球にいる生命体の波動が低いから、怖いのねぇ。帰ってこれないのではないか?って思うのよね~。」

「そんなに怖い、怖いのですか?」

カウンセラーを覗き込むように、恐る恐る聞いてみた。

「怖いかどうかはその人次第ね。」
「地球の生命体の波動が低いのは、地球の波動も、低いのよ。ここよりね。」
「低い波動から、高い波動にアクセスするのはできないのは知っているでしょう?地球から、この星の叡智にアクセスするのは難しいのよね。アクセスできないと考えると不安になるものなのよ。」
「あとは、地球に転生した者がなかなか帰って来ない。というのもあるわね。」
「でもね、地球には魂を消滅させる技術まではまだ無いのよ。きっと、地球が許さないのね。だから、そこまで、怖いというものでも無いのよ。」

「そうなんですか。少しホッとしました。」

「それにしても、勇気あるわね。見直したわ!」

「あっ、ありがとうございます。」

「前から太陽系のどこかとは聞いていたけど、あなたの適性を考えたら、太陽系だったら、金星に行くのかと思ってたわ~。」
「でも、地球を選択するのは、とても立派なことよ。地球でも適性が無くはないわ。きっと、大きく成長するわね~。」
「地球は希望者いないから、あなたで決まりね。おめでとう。」
「でも、なんで地球なの?」

「はい。あの光に照らされて、青く輝く星がとても美しくて。地球を見ていると吸い込まれそうになるんです。それで、地球を、あのまま、美しいままに守りたいと思ったんです。誰にも邪魔されず、誰にも妨げられず、地球の成長とともに寄り添っていたい。そうありたいと思ったんです。」
「怖くない!といったらウソになるけど、どうしても、行きたいんです。」

「愛ね~。そんなに好きなのね~。地球のこと。いやあ、妬けるわ。ウソよ。」
「その純粋さ、忘れないでね。その純粋な思い、地球もきっと喜ぶわ。」

「さぁ、これを。これは、私からのプレゼント。みんなに渡しているのよ。それぞれにあった必要な御守りよ。この御守りはあなたを護るもの。あなたの中に埋め込むのよ。地球にいっても必ず役に立つと思うわ。」

「地球への転生、無事を祈ってるわ。」

カウンセラーが、御守りをその場でボクの中に埋め込んだ。
そして、ハグをしてから、そこを立ち去った。

地球への希望をはっきりさせたら、スッキリした。
地球は大変と誰しも言うが、この気持ちを持っていれば、揺るがない想いを持って転生すれば、苦しいことも乗り越えられるさ。きっとうまくいくさ。

風がすがすがしい。風に揺られて、植物たちが波をうつ。
向こうに恒星が沈んでいるのが見える。変わりに、反対側から、この星の衛星が登る。
衛星に照らされて、大地がエメラルド色に光っている。

いつになく、衛星が輝いて見えた。星たちも煌めいている。大地も微笑んでいる。

星屑たちよ!大地よ!地球に転生するぞぉ!見守っててくれぇ!!

衛星が欠けて見えなくなる頃、卒業式を迎える。もうじきだ。

to be continued